南米さんぽ③ Ski Portill チリのスキー場ポルティージョ
今回は、チリのスノーリゾートSki Portillo(ポルティージョ)について。
今年はスキーできなかった人
南半球にスキーに行きたかった人
海外のリゾートに興味がある人
日本の暑い夏から少しでも気を逸らしたい、そんなあなたに捧げる白い雪にまみれた記事。
簡単にどんな所かと言うと、
・南米最大規模で、チリ最古のスキー場
・ホテルは1軒のみで、基本1週間ステイ
・世界有数のスキー場で、世界中からスキーヤーが集まる
そんな情報を掘り下げていきます。
Amazonじゃないのかよ南米って
まず、みなさんの南米イメージはどんなものでしょうか。
陽気なラテン?サッカー?アマゾン熱帯雨林?そんな所でスキーできるの?はい、できるんです。
前々回の記事にもあるが、南米大陸を縦断するは巨大なアンデス山脈。
その頂きは「アコンカグア」で標高6,961m。高い高い。
これを登頂しようとしていた世界的な登山家の三浦雄一郎氏の記憶も新しい。
ちなみに、富士山の標高が3,776mですから。お分かりいただけただろうか。
ふだん見慣れた東京タワーを下から見上げる感覚でスカイツリーに行ったら、そのデカさに圧倒される。きっとそんな感覚だろう。
そんなアコンカグアのすぐ側
チリとアルゼンチンの国境沿いに位置するのが、このPortillo。
その始まりは、ヨーロッパ人が19世紀に鉄道を引くためにやってきて、スキーをしたのが始まりだそう。大陸を横切る列車作ろうぜ!と来たのに、スキー場作って行ってしまうのだから恐れいう。なんなら、列車はできていなんじゃなかろうか。
そんな国境沿いの僻地にあるスキー場、ホテルは1軒しかない。
首都から160km、いろは坂を彷彿とさせる国道沿い、そこにはホテルが1軒。
雪山でポツンと景色の良いホテルといえばシャイニング。237号室があったかどうかはご想像にお任せします。
1週間オールインクルーシブスタイルの滞在
滞在は基本、土曜日スタートの7日間単位。(3泊4日のmini weekもある)
大丈夫、”1週間もスキーをするなんて!”と言う視線を画面越しに感じている。
しかしながら、欧米人からすると一般的。
天気が悪ければ、外には行かないし、1日中朝から夕方まで練習をする訳ではないし。
そうしたら1週間なんてあっという間。日本の週末旅行感覚とは別物。そこの価値観はいっそ書き換えて、埋めてしまいたいものだ。
そんなホテルの他には、
・インカロッジ(4人1部屋のタコ部屋)
・オクタゴンロッジ(少しプライベートな建物)
・シャトー(プライベートおしゃんハウス)
それぞれのお部屋タイプに対して価格設定があり、かつ時期に応じて変動制。
今回は、1人で宿泊なのでインカロッジ(シングル、4人部屋)プラン。
2段ベッド、人がギリギリすれ違えるスペース。
ベッドの反対側には荷物を収納できる、わずかな埋め込まれた棚。以上。
費用はUS$1250ドル。約13万。
この費用に含まれるのが、
・宿泊代
・1日3食のご飯+ティータイムのおやつ
・全日のリフト券代
・館内全ての施設利用
結論から言うと、だいぶコスパがいい。
少し脱線して国際的なリフト券価格で言うと、同じ滑走日数で言うとカナダなら10万円は超える。オーストラリアも高いし、フランスは長期だと少し安いかも。日本はそんな長い人向けないか。
そもそも飲食代が込みで宿泊費も入っている。
とにかく、全部ひっくるめてこれならお得。そうそう伝える機会も無いので、ちょっと聞いてよ奥さん。お得なのよ!とここぞとばかりに掘り下げてお得と伝えたい。
今回同室になったのは、カルフォルニアからやってきたIT会社勤務のマイケル、ボリビアのツアー会社勤務、口数少なめアレキサンダー、体臭きつめアメリカの若人アレックス。カナダから来たジャパニーズわしでお送りします。
男4人が狭い部屋で1週間の共同生活。
共同のシャワーブースと洗面所が同じ建物に。廊下で違う部屋の人とビールを片手にだべったり。気分は半ば合宿。目が覚めると、マイケルが裸で起き上がる、そうだ外国人服着ないで寝るよな。おじさんなのにこうなってくると友達感覚だ。
到着日は夕方18時から、オリエンテーション。
参加無料で、施設とその歴史を案内してもらえる。
1週間で遊び尽くせるかといった施設の充実っぷり。
同日、到着した人たちと一緒に回るので、会話も増えさらに友達が増える。
味わい深いホテル
食事は全員ホテル
少し面倒だけど、インカロッジから一度外に出て、10m先のホテルへ。
こちらは2階のレストラン。サーバーも豊富。充実のサービス。だそう。何故かって?
われわれの食堂はこちら。階段を下って、ロビー脇のこちら。
この食事処の分け方がなんともハッキリしてて最高。
上流階級と下層階級。
を文字通り体現。支払うお金で食事処が別れている。良いじゃないか。これぞ資本主義。
まあ下も下で悪くない。毎食きちんと分けられるメニュー。当然スペイン語でしょ?といわんばかりの、従業員さん。毎食動けなくなるくらいの量は食べられる。
海外スキーの雄大さは一度知ってしまうと、もう日本の小さく短いゲレンデでは満足できない。一度知ってしまうと、知る前には戻れない。我々はスマホの便利さを手放す事はないし、なんだってそうだ。そんな物掘れば掘るだけ生まれてくるお題だ。だから思う。
ジャグジーでは満足はできない。温泉に浸かりたい。
いっそ掘ったら湧かないかなんて思ったりする。ざんねんながら、岩盤だった。
さて、下級戦士たちの食堂では日替わりで開催されるイベントがみんなのお気に入り。
ワインのテイスティング会
タダ酒に群がるのは、万国共通。
世界中から集まった参加者が、地元チリのワイン農家さんの声に耳を傾ける。買う人ももちろんいる。大方は飲んでうんちくを語り出す。それにしても、みんなワインに詳しい。欧米社会のそれなりの仕事に従事している人たちは本当に教養がある。
夕食を共にしていると、身の上話から一気に政治の話まで。「安倍さんはどうだい?」初対面でもこう言う話はよくあるし盛り上がる。アメリカ人は特に直接的に話題として触れてくる。冬の仕事の時もそうだったが。今のところ、残念ながら「トランプ最高!」と言う人には会えていない。
この2階ラウンジが至高。
夕食前後は皆がここに集まり歓談に興じる。こちらも社交の場。元々、スキーをする人たちの所得層が高いと言う統計もあるそうだが、社交会としても機能している様に思える。その脇の図書スペースでは、仕事に勤しむ人たちも。非日常なのに日常。
世界中からスキーヤー全員集合
廊下に並ぶ写真たち、そしてここに行くことを勧めてくれたダリルの言っていた通りの光景。世界のプロスキーヤー、アルペンレーサー、国代表チームなど。錚々たる顔ぶれ。勝手に写真貼ってくればよかった。
スキー界のおしゃれ番長シエラ姉さんも、雑誌の撮影で数週間前に撮影に来てましたし。やっとわかってきたぞ、位置付けがみたいな。
語り尽くせないPortilloの魅力
何よりこの社交の場を兼ね備えているのが最も価値があるかと。もちろんここに載せているのが全てではありませんが。それにしてもだいぶ掘り下げた。
さて、次回はスキーヤー、スノーボーダーお待ちかねの、雪山スペックについて。
掘り下げはしないです。山なので。